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下水道調査におけるスクリーニング調査とは?目的・手法・活用方法をわかりやすく紹介

スクリーニング調査とは?

下水道管路の老朽化対策や維持管理を効率的に行ううえで、欠かせない工程のひとつが「スクリーニング調査」です。

本記事では、スクリーニング調査とは何か、その目的・手法・活用方法について、現場目線も踏まえてわかりやすく解説します。


■ スクリーニング調査とは?

スクリーニング調査とは、下水道管路の健全性を効率よく把握するための一次的な診断・選別調査のことです。

簡易的かつ短時間で実施できる手法を用い、全路線の状態を大まかに把握し、「詳細調査の必要性がある路線」を絞り込むことが主な目的です。


■ なぜスクリーニング調査が必要なのか?

下水道管路は全国で約50万km以上におよぶ膨大なインフラです。全路線を詳細に調査するのはコスト・時間ともに非現実的

そこで、スクリーニング調査を活用して「傷んでいそうな管路にだけ詳細調査を行う」という優先度の高い部分に資源を集中するアプローチが求められているのです。


■ 主な調査手法と内容

スクリーニング調査では、以下のような比較的簡便な方法が用いられます。

調査手法 内容 特徴
管内TVカメラ調査(粗視点検) 手引き式または自走式カメラで管内を撮影 異常の有無を目視で確認。軽微な調査対応も可能
管内音響調査(打音法) 音響センサーを使い異常音を検知 管路の破損・空洞の兆候を把握
管口部の目視点検 マンホール等からの目視で異常確認 コストが安く、応急的な判定に使える
路面陥没・補修履歴の調査 過去の補修履歴や苦情履歴を確認 危険個所の傾向を事前に把握可能
管路情報データベースの活用 敷設年度、材質、土被り、交通条件など 劣化しやすい条件をもとに優先順位を仮設定

■ スクリーニング調査の流れ(例)

  1. 既存情報の整理(台帳・履歴・GIS等)
  2. 対象エリアの選定(経年・苦情・交通荷重などを考慮)
  3. 現地簡易調査の実施
  4. 異常のある路線の抽出
  5. 詳細調査(TVカメラ、内面探傷など)への展開

■ 活用方法とその効果

スクリーニング調査の結果は、次のような場面で有効に使われます。

  • 詳細調査の対象選定(費用対効果の最大化)
  • 改築・修繕計画の優先順位付け
  • 長寿命化計画(アセットマネジメント)の基礎資料
  • 緊急対策が必要な路線の早期抽出
  • 現場との合議資料としての活用(住民対応にも)

■ まとめ:効率的な維持管理の第一歩

スクリーニング調査は、「すべてを調査する」のではなく、「どこを優先的に調査・修繕するかを判断するための第一ステップ」として極めて重要なプロセスです。

限られた予算・人員のなかで、下水道インフラをいかに健全に保つか。

スクリーニング調査は、**戦略的な維持管理の“羅針盤”**となるツールなのです。