お知らせ
劣化調査結果の評価方法(緊急度 I・II・III)
下水道の劣化調査結果は、
単に「劣化している・していない」ではなく、
どれくらい急いで対応すべきかという視点で評価することが重要です。
その判断に用いられるのが、
緊急度 I・II・III という評価区分です。
🔍 緊急度評価の基本的な考え方
緊急度判定は、次の3点を総合して判断します。
劣化・破損の程度
構造安全性への影響
将来的な事故・機能障害のリスク
👉 「今どうか」+「この先どうなるか」
を見据えた評価です。
🔴 緊急度 I
著しい劣化・破損。道路陥没の恐れがある。
■ 状態の目安
大きなクラック・破損が確認されている
鉄筋腐食が進行し、断面欠損が顕著
常時漏水や大量の浸入水がある
剥離・崩落の危険性が高い
👉 構造安全性に直接影響する状態
■ 対応の考え方
速やかな修繕・改築が必要。
応急対応では不十分な場合が多い
大規模補修、または更新を含めた検討が必要
放置すると、道路陥没や重大事故につながる可能性あり
📌 先送り不可の状態
📌 最優先で対応すべき区分
🟡 緊急度 II
中度の劣化。機能に支障が出る可能性がある。
■ 状態の目安
中性化が進行し、鉄筋近傍まで到達
軽度〜中度の鉄筋腐食
局所的な漏水・浸入水が確認される
表面剥離・断面欠損が部分的に発生
👉 現時点では致命的ではないが、進行性がある状態
■ 対応の考え方
概ね5年以内に計画的な対策を実施。
止水工法・断面修復・表面被覆などの補修が有効
予防保全の観点で対応することで、更新を回避・先延ばし可能
ストックマネジメント計画と連動した対応が望ましい
📌 一番コスト差が出やすい判断ゾーン
📌 早めの対応が長寿命化につながる
🟢 緊急度 III
軽微な劣化。当面は機能に支障なし。
■ 状態の目安
圧縮強度は十分に確保されている
中性化は浅く、鉄筋腐食は確認されない
漏水・浸入水なし
表面劣化が軽微
👉 健全、または初期劣化段階
■ 対応の考え方
定期的な点検を継続し、経過を観察。
直ちに補修は不要
定期調査で状態変化を確認
将来の劣化進行に備えたデータ蓄積が重要
📌 「問題なし」ではなく「管理可能な状態」
📋 緊急度区分まとめ(整理表)
| 緊急度 | 状態の目安 | 対応の考え方 |
|---|---|---|
| 緊急度 I | 著しい劣化・破損 | 速やかな修繕・改築 |
| 緊急度 II | 中度の劣化 | 概ね5年以内に計画的対策 |
| 緊急度 III | 軽微な劣化 | 定期点検・経過観察 |
🧠 実務で大切なポイント
緊急度は 試験結果1つで決めない
漏水・構造・進行性を総合判断
「なぜこの緊急度なのか」を説明できることが重要
👉 評価は“結論”ではなく、“判断材料”
🌱 まとめ|緊急度判定は優先順位付けのための指標
緊急度 I・II・III 判定は、
危険度を分かりやすく整理し
限られた予算・時間の中で
どこから手を付けるべきかを決める
ための 実務的な評価手法です。
正確な劣化調査と、
根拠ある緊急度判定があってこそ、
下水道施設の安全と長寿命化が実現します。

