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【豆知識】止水パッカー工法とは?
下水道管路の漏水・浸入水を管内から効率よく止める工法の基礎知識
はじめに
下水道管路の老朽化が進む中で、管きょの継手部やひび割れから地下水が浸入してくる「不明水(ふめいすい)」の問題が全国的に深刻化しています。
不明水が増えると、処理場への流入量が増加して維持管理コストが膨らむだけでなく、地盤の空洞化を引き起こすリスクもあります。
こうした漏水・浸入水への対策として広く活用されているのが「止水パッカー工法」です。本記事では、この工法の仕組みや特徴、適用範囲などをわかりやすく解説します。
止水パッカー工法とは
止水パッカー工法は、管きょの内側からアクセスし、漏水箇所を膨張式の封止装置(パッカー)で前後から挟み込んで密閉空間を作り、そこに止水材(薬液)を注入することで亀裂や隙間を塞ぐ工法です。
道路を掘らずに管内から施工できる「非開削工法」のため、交通規制や周辺環境への影響を最小限に抑えられます。
適用箇所は主に下記のとおりです。
- 管きょの継手部(接合部)の離脱・ずれ
- 管体・マンホールのひび割れ・孔からの浸入水
- 取付管との接続部の隙間
- マンホール壁面・底版の漏水
施工の流れ
止水パッカー工法の基本的な施工ステップは以下のとおりです。
- TVカメラによる事前調査 │ 漏水箇所や損傷状況を映像で確認します
- 管内の清掃 │ 高圧洗浄で管内の付着物・土砂を除去します
- パッカーのセット │ 補修箇所を挟む形でゴム製パッカーを管内に設置・膨張させて密封します
- 止水材の注入 │ 密封空間に薬液(セメント系・ウレタン系など)を加圧注入します
- 硬化・確認 │ 薬液が土砂・水と反応して固化。TVカメラで止水効果を確認します
主な止水材の種類
使用する薬液は現場の状況に応じて選択します。当社ではセメント系と非ウレタン系の止水パッカー車を保有し、現場に最適な材料で対応します。
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材料 |
特徴 |
主な用途 |
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セメント系 |
管体との親和性が高く、耐久性に優れる |
継手部・軽微な漏水 |
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非ウレタン系(アクリル系など) |
低粘度で微細なクラックにも浸透。環境負荷が低い |
細かいひび割れ・砂地盤 |
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ウレタン系 |
水と反応して発泡膨張。活発な漏水にも対応 |
湧水のある箇所 |
止水パッカー工法のメリット
- 非開削工法のため、道路掘削不要 → 交通への影響・コストを大幅に削減
- 管内からの施工なので、狭隘な場所や交通量の多い現場でも対応可能
- 施工が比較的短時間で完了し、管路の早期供用再開が可能
- 湧水がある状態(活水状態)でも施工できる
- 局所的な補修のため、必要な箇所だけを効率よく補修できる
施工時の留意点
- 管径が小さい場合(概ねφ200mm未満)は作業員進入が困難で、適用方法が限られることがあります
- 管の変形・破損が大きい場合は管更生工法との併用が必要な場合があります
- 止水パッカー工法はあくまで「浸入水を止める」工法です。管の強度回復・更生は別途更生工法で対応します
- 定期的なTVカメラ調査による状態確認と、必要に応じた再施工が重要です
他の止水工法との比較
当社では止水パッカー工法のほか、Y字管注入工法・Vカット工法など複数の止水工法に対応しており、現場状況に合わせて最適な工法をご提案しています。
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比較項目 |
止水パッカー工法 |
Y字管注入工法 |
Vカット工法 |
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主な適用箇所 |
継手・管体クラック |
取付管接続部 |
人孔・マンホール |
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施工規模 |
局所補修向き |
局所補修向き |
人孔全体に対応 |
|
施工時間 |
短時間 |
短時間 |
中程度 |
まとめ
止水パッカー工法は、下水道管路や人孔の継手・ひび割れからの浸入水を、非開削・短時間で効果的に止めることができる補修工法です。老朽化が進む下水道インフラの維持管理において、コストと施工性のバランスに優れた工法として広く採用されています。
ただし、管の構造的な更生は行わないため、損傷度合いによっては管更生工法との組み合わせが必要です。まずは TVカメラによる現状把握が重要なファーストステップとなります。
「漏水しているが、どの工法が適切かわからない」「調査から補修まで一括で対応してほしい」といったご相談も、お気軽にどうぞ!
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