お知らせ
📷 展開カメラによる下水道調査とは?
短時間で管内全体を「見える化」する調査技術

下水道管路の維持管理では、劣化状況を正確に把握するための調査が欠かせません。
これまで主流だったのはTVカメラ調査ですが、近年では調査の効率化やデータ活用を目的として、
「展開カメラ調査」
を採用する自治体や建設コンサルタントが増えています。
展開カメラは、短時間で管路全体を撮影できる非常に優れた調査機器です。
一方で、TVカメラとは得意なこと・苦手なことが異なります。
今回は、現場で実際に使用している立場から、
- 展開カメラとは?
- TVカメラとの違い
- メリット・デメリット
- 活用シーン
について分かりやすくご紹介します。
🏗 展開カメラとは?
展開カメラとは、
360度カメラを搭載した調査機器を管内で走行させ、管路全周を撮影する調査システムです。
撮影した映像から、
- 動画データ
- 全周展開画像
の両方を作成できます。
つまり、
「動画でも確認できるし、静止画では管内全体を一枚の画像として確認できる」
というのが大きな特徴です。
📷 展開画像とは?
展開画像とは、
管の内側を円筒状から平面へ展開した画像のことです。
まるで管を縦に切り開いたような画像になるため、
- クラック
- 継手部
- 腐食
- 木根侵入
- 浸入水
などを管全周で確認できます。
局所だけではなく、
「管路全体の状態を一目で把握できる」
ことが最大のメリットです。
📹 TVカメラとの違い
展開カメラも動画撮影は可能ですが、
TVカメラとは役割が少し異なります。
| 項目 | 展開カメラ | TVカメラ |
|---|---|---|
| 動画撮影 | ○ | ○ |
| 静止画 | 全周展開画像 | 必要箇所のみ |
| 首振り撮影 | × | ○ |
| 詳細確認 | △ | ◎ |
| 全体確認 | ◎ | ○ |
| 現場作業時間 | ◎ | ○ |
TVカメラはカメラヘッドを上下左右に動かしながら、
見たい箇所を詳細に観察できます。
一方、展開カメラは首振り機能がないため、
一点を拡大して詳しく確認することは得意ではありません。
しかし、
管路全体を効率よく記録することに優れています。
つまり、
「詳細調査はTVカメラ」
「全体把握は展開カメラ」
というイメージです。
🚀 現場での調査時間を大幅に短縮
展開カメラが注目される理由のひとつが、
調査スピード
です。
TVカメラ調査では、
劣化箇所ごとに停止し、
- 首振り撮影
- 静止画撮影
- コメント入力
などを行います。
一方、展開カメラは基本的に一定速度で管内を走行しながら撮影するため、
現場での調査時間を大幅に短縮できます。
交通規制時間の短縮や現場作業の効率化につながることから、
近年採用が増えている理由のひとつです。
💻 その反面、社内作業は増える
ただし、
「現場が早い=すべて早い」
というわけではありません。
展開カメラで取得したデータは、
帰社後に専用ソフトで展開処理や画像整理を行い、
報告書へまとめる作業が必要になります。
つまり、
- 現場作業は短縮できる
- 社内でのデータ整理・報告書作成には時間が必要
という特徴があります。
現場と内業のバランスを考えながら運用することが重要です。
🔍 展開カメラが得意な調査
展開カメラは特に、
- 定期点検
- 長距離管路調査
- 劣化比較
- ストック調査
- アセットマネジメント
との相性が非常に良い調査方法です。
過去データとの比較もしやすく、
経年変化を客観的に確認できます。
🤖 AI解析との相性も抜群
展開画像は形式が統一されているため、
近年注目されているAI画像解析との相性も非常に良いと言われています。
将来的には、
- クラック検出
- 劣化判定
- 異常箇所抽出
などをAIがサポートし、
調査精度や報告書作成の効率向上が期待されています。
🌏 展開カメラは「効率」と「見える化」を実現する技術
展開カメラは、
TVカメラの代わりになる機材ではありません。
それぞれに得意分野があります。
- 詳細な観察ならTVカメラ
- 全体把握と効率なら展開カメラ
目的に応じて使い分けることで、より質の高い下水道調査が可能になります。
今後、DXやAIの活用が進む中で、展開カメラは「見えない地下インフラを見える化する技術」として、さらに重要な役割を担っていくでしょう。
