お知らせ
老朽化時代に自治体が直面する3つの壁
― 下水道・インフラ維持管理の現場で今、何が起きているのか ―

日本のインフラは、
本格的な 「老朽化時代」 に入りました。
とくに下水道をはじめとする社会インフラでは、
- 老朽施設の急増
- 事故・陥没リスクの高まり
- 維持管理費の増大
といった課題が、
一気に同時進行 しています。
しかし現場の自治体は、
単に「施設が古い」という問題だけでなく、
いくつもの“壁” に直面しています。
この記事では、
老朽化時代に自治体が直面している
3つの大きな壁 を整理し、
今後必要となる考え方を解説します。
壁① お金の壁|すべてを直す予算はない
老朽化は「想定以上のスピード」で進行している
高度経済成長期に集中的に整備された下水道は、
今まさに 更新時期が重なる年代 を迎えています。
ところが👇
- 更新・補修が必要な施設数
- 必要な事業費
は、自治体の想定を大きく上回っています。
👉
「必要性は分かっているが、予算が足りない」
これが多くの自治体の本音です。
すべて更新することは不可能
理想論としては、
古いものは全部新しくする
ですが、現実は👇
- 更新対象が多すぎる
- 財政に限界がある
- 他分野(福祉・教育)とのバランス
👉
優先順位をつけないと維持できない
これが最初の壁です。
壁② 人の壁|見る人・判断する人が足りない
技術者不足は、すでに始まっている
自治体では👇
- ベテラン職員の退職
- 技術系職員の減少
- 若手の経験不足
が同時に進行しています。
結果として、
- 調査結果をどう読むか
- どこが本当に危ないか
を判断できる人材が不足しています。
👉
人の問題は、予算以上に深刻
「調査結果があっても判断できない」現実
近年は、
- TVカメラ
- ドローン
- 各種調査
によって 情報量は増えています。
しかし、
「この結果をどう使えばいいのか分からない」
という声が、現場では少なくありません。
👉
情報が増えても、判断力が追いついていない
これが2つ目の壁です。
壁③ 判断の壁|説明責任と優先順位の難しさ
何を優先するか、説明できるか?
老朽化時代の維持管理では、
- どこを先に直すか
- なぜそこなのか
を 明確に説明 する必要があります。
しかし👇
- 事故は「起きていない」
- 見た目は「まだ大丈夫そう」
という施設を優先する説明は、
決して簡単ではありません。
👉
判断の壁=説明責任の壁
事故が起きてからでは遅い
事故が起きれば👇
- 緊急対応
- 大規模補修
- 社会的影響
が発生します。
それでもなお、
「事故が起きるまで動けない」
という構造が残っている自治体もあります。
3つの壁をどう乗り越えるか?
① 「全部やる」から「選んで守る」へ
限られた予算・人手の中では👇
- 状態を把握し
- 危険度で整理し
- 優先順位を決める
という ストックマネジメント型 の考え方が不可欠です。
② 技術を“判断のため”に使う
ドローンやAIは、
人の代わり
ではなく
人の判断を助ける道具
として使うことが重要。
👉
技術+人の判断 がセットになって初めて意味を持ちます。
③ 外部の力をうまく使う
すべてを自治体内で抱え込むのではなく、
- 調査
- 評価
- 技術判断
を 外部の専門家と分担 することも、
現実的な選択肢です。
まとめ|老朽化時代は「選択の時代」
老朽化時代の自治体が直面するのは、
- お金の壁
- 人の壁
- 判断の壁
この 3つの壁 です。
これらは単独ではなく、
絡み合って自治体を悩ませています。
だからこそ必要なのは👇
- 正確な調査
- 冷静な評価
- 説明できる判断
老朽化時代は、
何を守り、どこに手を打つかを決める時代。
その判断こそが、
これからのインフラ維持管理の要になります。
