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【下水道の止水工法】Vカット工法とは?対応可能箇所・現地状況・施工手順を解説!

Vカット工法

下水道管きょの止水工法のひとつとして知られる「Vカット工法」。

老朽化したマンホールや管口からの漏水に対応するため、現場でよく使われる定番工法のひとつです。

この記事では、Vカット工法の施工が可能な箇所、現地条件、そして施工手順について分かりやすくまとめました。

止水対策を検討されている自治体職員の方や、現場監督さんにぜひ読んでいただきたい内容です。


■ Vカット工法とは?

Vカット工法とは、漏水が発生している部位(主に接合部やクラック部)をV字型に切削し、そこに止水材や補修材を充填することで水の流入・漏出を防ぐ止水工法です。

古くから使われている実績ある方法で、局所的な漏水対応に非常に適しています。


■ 施工対応可能な箇所

Vカット工法が適用できるのは、主に以下のような箇所です:

  • マンホール内壁のクラックや継手部
  • マンホールと管きょの接合部(管口)
  • 既設構造物の打継ぎ目地部
  • 小口径の下水道管の接合部
  • 既存補修部の再漏水箇所

基本的にはコンクリート製構造物で、表面から施工可能な部位に適用されます。


■ 現地の状態・適用条件

Vカット工法を適用するには、以下のような現地状況が望ましいです:

  • 漏水箇所が明確に特定できること
  • 施工対象部が人力または機械でアクセス可能であること
  • 乾燥状態での施工が可能(止水材によっては多少の湿潤でも対応可)
  • コンクリートの強度や劣化状態が施工に耐えられること

※強い流水がある場合や、広範囲にわたる劣化には他工法(内面被覆や注入工法等)の検討が必要です。


■ Vカット工法の施工手順

  1. 漏水箇所の特定・マーキング

     目視やカメラ調査等で漏水部を確認し、マーキングします。
  2. V字カットの実施

     ディスクグラインダーや電動チッパーなどを使用し、V字型に切削します。

     幅は10〜30mm、深さ20〜40mm程度が一般的です(状況により異なる)。
  3. 切削部の清掃・下地処理

     切削後の粉塵や汚れを除去し、モルタルや止水材の接着性を高めるため、必要に応じてプライマーを塗布します。
  4. 止水材の充填

     専用の速硬性モルタルや止水セメントをV字溝に充填します。漏水が強い場合は、速攻型止水材で一次止水を行う場合もあります。
  5. 仕上げ・養生

     仕上げ材で表面を整え、施工後の養生を行います。短時間で硬化する材料を使用すれば、即日復旧も可能です。

■ Vカット工法のメリットと注意点

✅ メリット

  • 低コストかつ短時間で施工可能
  • 部分補修に最適
  • 特別な大型機械が不要
  • 即効性がある(速硬性材を使えば漏水を即日止められる)

⚠ 注意点

  • 対象箇所が限定される(構造全体の劣化には不向き)
  • 表面的な補修になるため、根本的な構造劣化には別工法が必要
  • 漏水圧が高い場合は、注入工法等との併用が必要

■ まとめ

Vカット工法は、下水道管路やマンホールの漏水補修において、コストパフォーマンスとスピードのバランスに優れた工法です。

調査で漏水箇所が明確になり、構造物自体がしっかりしていれば、ぜひ選択肢に加えたい補修手段のひとつです。

止水対策でお悩みの方は、現地調査の結果をもとに、Vカット工法の適用可否を検討してみてくださいね!