お知らせ
目視だけで終わらせない
人孔内で使える補助ツール&機材紹介
下水道の人孔調査において「目視確認」は非常に基本的な作業です。
しかし――
・死角が多くて全体が見えない
・深部や裏側の確認ができない
・異常を見逃してしまった…
というケースも少なくありません。
本記事では、こうした「目視だけでは分からない部分を補う」ために、現場で実際に使われている補助ツール・観察機器・安全機材を実務視点で紹介します。
1. 高所・深部をのぞき込む:点検ミラー&望遠鏡
🔍 点検ミラー(伸縮式)
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長さ:最大2〜3m程度に伸縮可能
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用途:人孔内の管口部や側面、背面の確認
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特徴:低コストで視野を拡張、軽量で扱いやすい
★ポイント:ミラーを傾けながらLEDライトを当てると、暗部や接合部の確認に非常に効果的!
🔭 ポケット望遠鏡・点検用スコープ
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マンホール上からでも、深部の構造確認が可能
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一部製品はスマホ連携で録画も可能
2. 照明が命:LED投光器&ヘッドライト
💡 投光器(充電式・防爆対応)
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底部・側面のクラック、白華、滲出の視認性を大幅向上
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防爆モデルなら硫化水素などのガス環境下でも使用可能
🧠 ヘッドライト(両手作業向け)
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作業中の安全確保
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多灯・調光式で調査者の好みに合わせられる
★ポイント:照明不足=“見えない劣化”の見逃しに直結します!
3. 見えない異常を拾う:打音棒&超音波チェッカー
🔨 打音棒(点検ハンマー)
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打音の違いから、コンクリートの浮き・空洞化を検知
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人孔内壁や底版の内部劣化を簡易にチェックできる
📡 超音波ひび割れチェッカー(非破壊)
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クラック幅・深さを数値で計測可能
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再劣化の兆候把握や、補修前後の比較に役立つ
4. カメラで記録+確認:内視鏡カメラ&管口カメラ
📷 内視鏡カメラ(ボアスコープ)
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細径ケーブルに小型カメラ付き
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打継ぎ部の裏や、補修材裏の確認に効果大
🔍 管口カメラ(棒状 or 投下式)
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人孔内から上下流方向の管路内を簡易撮影
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TV調査前のスクリーニングや応急対応で活用
★ポイント:最近はスマホ連動型・録画機能付きで1〜2万円台でも購入可能!
5. 安全第一!必須の環境測定&保護機材
🧪 酸素・硫化水素濃度測定器(4種ガス検知器)
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作業前は必ず「酸素」「H₂S」「可燃性ガス」「CO」を測定
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三段階(上・中・下)で確認
💨 送風機+ダクトセット
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換気は作業前だけでなく作業中も常時継続が理想
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ダクトは人孔底部までしっかり垂らす
🪢 命綱・三脚・墜落防止装備
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小規模な人孔でも転落・酸欠は致命傷になり得る
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作業員は常に「見える」「救助できる」体制が必要
6. 調査の質を高める“小道具”も活用
ツール | 活用方法 |
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白板ペン or チョーク | 劣化部の目印を現地で記録 |
測定スケール or 定規 | クラック幅の簡易測定 |
防水メモ帳 | 湿潤環境下でも記録可能。現場メモに便利 |
GoProなどの小型カメラ | 調査の様子や確認箇所の映像記録に最適 |
7. 実際の現場ではどう使ってる?
💬 A市建設課インタビュー(抜粋)
「目視だけじゃ怖い。ミラーとライトは必携」
「以前、ミラーで管口の裏側を見たら根入りが確認できた」
「ガス検知器は常に首から下げてる。クセにしないと危ない」
「最近はスマホ連携の内視鏡が手軽で便利」
現場の声からも、“ちょっとしたツール”の積み重ねが安全と調査精度を支えているのが分かります。
まとめ:調査は“目で見る+ツールで補う”のが基本
人孔内の調査では、「目で見て分かること」と「ツールがないと見えないこと」があります。
どちらかではなく、両方の視点を持つことが“確かな判断”につながるのです。
機材は高価なものばかりではなく、1万円以内でも十分使えるツールが多くあります。
これらを使いこなせば、調査の安全性・精度・記録性は確実にレベルアップします。