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下水道施設における劣化調査の種類と試験方法
豆知識
2026.01.30
圧縮強度・中性化・鉄筋腐食をどう調べるのか?

下水道施設の維持管理において、
**「劣化調査」**は非常に重要な位置づけにあります。
TVカメラ調査や目視調査で異常が確認された場合、
次のステップとして行われるのが👇
👉 材料レベルでの劣化調査・試験
この記事では、
- 下水道施設で行われる代表的な劣化調査の種類
- 各試験の内容と目的
- 試験体(サンプル)の採取方法
- 実務での使い分けポイント
を、現場目線で分かりやすく解説します。
🔍 劣化調査とは何を確認するのか?
劣化調査の目的は、単に「古いかどうか」を見ることではありません。
劣化調査で確認するポイント
- 構造的に安全か
- 補修で延命できるか
- 更新が必要な状態か
👉 維持・補修・更新の判断材料
これが劣化調査の本質です。
① 劣化調査の試験内容
下水道施設で代表的な試験は、次の3つです。
①-1 圧縮強度試験(コンクリート)
🔎 試験の目的
コンクリートが、
👉 必要な強度を維持しているか
を確認する試験です。
下水道施設では、
- 経年劣化
- 化学的腐食
- 中性化進行
により、強度が低下している場合があります。
📌 確認できること
- 現在のコンクリート強度
- 設計強度との比較
- 補修・更新の要否判断
👉 構造安全性評価の基礎データになります。
①-2 中性化試験(コンクリート)
🔎 試験の目的
コンクリートの 中性化深さ を測定し、
鉄筋腐食のリスクを評価する試験です。
📌 中性化とは?
本来アルカリ性のコンクリートが、
- 空気中の二酸化炭素
- 下水由来のガス
などの影響で中性化し、
👉 鉄筋を守る力を失っていく現象。
📌 確認できること
- 中性化の進行度
- 鉄筋腐食の将来リスク
- 表面補修・被覆の必要性
①-3 鉄筋腐食調査(鉄筋)
🔎 試験の目的
鉄筋が、
- 腐食しているか
- 断面欠損しているか
を直接確認する調査です。
📌 確認できること
- 鉄筋腐食の有無・程度
- 断面欠損率
- 構造耐力への影響
👉 劣化が進行している施設では必須の調査です。
② 試験体(サンプル)の採取方法
劣化調査では、
どのように試験体を採取するかが非常に重要です。
②-1 圧縮強度試験の試験体採取方法
■ コア抜き(通常コア)
🔧 方法
- コンクリートを円柱状に切り出す
- 直径50~100mm程度が一般的
👍 特徴
- 試験精度が高い
- 設計基準との比較が容易
⚠ 注意点
- 構造体への影響
- 施工管理が必要
👉 精密評価・重要構造物向け
■ 小径コア
🔧 方法
- 小径(20~30mm程度)で採取
- 影響を最小限に抑える
👍 特徴
- 構造へのダメージが小さい
- 採取しやすい
⚠ 注意点
- 適用範囲に制限あり
- 補正が必要な場合あり
👉 既設施設・制約条件が厳しい現場向け
②-2 中性化試験の試験体採取方法
■ ハツリによる採取
🔧 方法
- 表面をハツリ
- フェノールフタレイン溶液で測定
👍 特徴
- 簡易で分かりやすい
- 現地で確認可能
⚠ 注意点
- 表層評価に限定
- 深部評価は困難
■ コア採取による中性化試験
🔧 方法
- コア抜き後に断面測定
👍 特徴
- 深部まで評価可能
- 鉄筋位置との関係が分かる
👉 精度重視の中性化評価に有効
②-3 鉄筋腐食調査の試験体採取方法
■ ハツリ調査
🔧 方法
- 鉄筋位置までハツリ
- 目視で腐食状況を確認
👍 特徴
- 状態を直接確認できる
- 即時判断が可能
■ 鉄筋採取
🔧 方法
- 鉄筋を切り出して採取
- 断面・腐食状況を測定
👍 特徴
- 定量評価が可能
- 構造安全性評価に有効
⚠ 注意点
- 補修が前提
- 構造影響を考慮
⚖ 試験方法の使い分け(実務ポイント)
劣化調査では👇が重要。
❌ すべての試験を一律実施
⭕ 目的に応じて必要な試験を選定
よくある組み合わせ例
- 初期評価
👉 目視+簡易中性化試験 - 劣化が疑われる場合
👉 圧縮強度+中性化 - 構造安全性評価
👉 圧縮強度+鉄筋腐食調査
🌱 まとめ|劣化調査は「判断のための調査」
下水道施設の劣化調査は、
- 壊すための調査ではなく
- 守るための調査
です。
正確な試験と適切な試験体採取を行うことで、
👉 補修で延命できるのか
👉 更新が必要なのか
を、客観的に判断することができます。
調査精度が高いほど、
維持管理の質は確実に向上します。
