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下水道の止水工法にはどんな種類がある?
Vカット工法・パッカー工法・止水剤の違いを分かりやすく解説
下水道調査の結果、
「止水が必要」と判断された場合、
次に検討されるのが どの止水工法を採用するか です。
止水工法と一口に言っても、
- クラックの止水
- 継手部の止水
- 応急対応
- 恒久対応
など、目的や状況によって工法は大きく異なります。
この記事では、
- 下水道止水工法の代表的な種類
- Vカット工法とは何か
- パッカー工法とは何か
- 近年増えている各種止水剤の特徴
を、現場目線で整理して解説します。
🔍 下水道における「止水工法」の基本整理
まず大前提として👇
👉 止水工法の目的は「水を止めること」
👉 構造補強とは別の考え方
という点を押さえておく必要があります。
止水工法が使われる主な対象
- クラック(ひび割れ)
- 継手部
- 取付管接合部
- 人孔壁・打継部
📌 劣化の「程度」より
📌 浸入水の有無が判断基準
になります。
🛠 下水道止水工法の主な種類
代表的な止水工法は、以下の3系統に分けられます。
① Vカット工法(表面処理型止水)
🔧 Vカット工法とは?
Vカット工法とは、
👉 クラック部分をV字状にカットし、止水材・補修材を充填して止水する工法です。
🧱 施工の流れ(概要)
1️⃣ クラック部をV字にカット
2️⃣ 清掃・下地処理
3️⃣ 止水材またはモルタル充填
4️⃣ 表面仕上げ
👍 特徴・メリット
- 構造が単純で分かりやすい
- 小規模な漏水に有効
- 施工管理がしやすい
⚠ 注意点・デメリット
- 水圧が高いと再漏水しやすい
- 動きのあるクラックには不向き
- 恒久性は条件次第
👉 比較的軽微な漏水向けの工法です。
② パッカー工法(注入型止水)
🔧 パッカー工法とは?
パッカー工法とは、
👉 クラックや継手部に注入口(パッカー)を設置し、止水剤を注入して止水する工法です。
🧱 施工の流れ(概要)
1️⃣ 注入口の設置
2️⃣ パッカー挿入・固定
3️⃣ 止水剤の注入
4️⃣ 硬化確認・仕上げ
👍 特徴・メリット
- 水圧がある状態でも対応可能
- 内部まで止水剤が浸透
- 再発防止効果が高い
⚠ 注意点・デメリット
- 材料・施工管理に技術が必要
- コストが比較的高い
- 過注入による弊害に注意
👉 確実な止水が求められる場合に選定されます。
③Y字管注入工法
🔧 Y字管注入工法とは?
Y字管注入工法とは、
👉 管内に設置したY字形の治具(注入管)を用いて、止水剤を面的に注入する止水工法です。
主に👇を対象にします。
- 継手部全周
- 管と取付管の接合部
- 管外周からの浸入水
- 地山側からの漏水
📌 「点」ではなく「面」で止水するのが最大の特徴。
🧱 施工の考え方(概要)
1️⃣ 対象箇所にY字管(注入治具)を設置
2️⃣ 管外周側に向けて止水剤を注入
3️⃣ 止水剤が周囲に拡散・充填
4️⃣ 浸入水を根本から遮断
👉 管の外側(背面)で止水するイメージ。
👍 Y字管注入工法のメリット
- 継手部全周を一括止水できる
- 再漏水リスクが低い
- 地山側からの浸入水に有効
- 恒久止水として使える
📌 パッカー工法より一段上の止水
📌 更新までの延命対策として選ばれることが多い
⚠ 注意点・デメリット
- 施工管理に高い技術が必要
- 材料・施工コストは高め
- 止水剤選定を誤ると過注入の恐れ
👉 「確実性重視」だが、設計・管理が重要。
各種止水剤を用いた止水工法
近年は、
止水剤の性能向上により、
用途に応じた材料選定が重要になっています。
🧪 主な止水剤の種類
■ セメント系止水剤
- 急結性
- 応急止水に向く
- 人孔などで多用
📌 即効性重視
📌 長期耐久性は条件次第
■ ウレタン系止水剤
- 膨張性あり
- クラック内部まで充填可能
- 注入工法と相性が良い
📌 パッカー工法で多用
📌 水圧に強い
■ アクリル系止水剤
- 低粘度
- 微細クラックにも浸透
- 恒久止水向き
📌 高性能だがコスト高
📌 管理・施工技術が重要
⚖ 工法選定の考え方(実務ポイント)
止水工法は、
❌ 工法ありき
⭕ 漏水状況・水圧・構造を見て選定
が基本です。
判断のポイント
- 漏水量はどの程度か
- 水圧は高いか
- クラックは動くか
- 応急か恒久か
👉 調査結果が工法選定の根拠になります。
📝 よくある組み合わせ例
小規模クラック
👉 Vカット工法+止水材
継手部・取付管
👉 パッカー工法+ウレタン系止水剤
人孔の漏水
👉 急結止水剤+表面被覆
🌱 まとめ|止水工法は「使い分け」がすべて
下水道の止水工法には、
- Vカット工法
- パッカー工法
- 各種止水剤
と、さまざまな選択肢があります。
重要なのは、
👉 「どれが良いか」ではなく「どれが合っているか」。
正確な下水道調査を行い、
漏水状況に応じた止水工法を選定することが、
結果として コスト・耐久性・信頼性すべてを高めます。
