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下水道管路施設の清掃ってどんな方法があるの?

下水道を調査、補修する際に必ず必要となってくるのが、管路内の清掃となります。

清掃と一概に言っても、人が入ってやる作業ではなく、専用の機械、機材を使用してでの作業となります。

ここでは、下水道管路施設の清掃について解説していきます。

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管路施設の清掃の概要

下水道管路施設は、機能の維持するために清掃及びしゅんせつを適切に行う事が必要です。

下水道では水中の固形物や堆積物が沈殿して溜まり流下能力を低下させることがあります。

例えば、混入した土砂・モルタル・油脂、管きょ継ぎ手部分から侵入した草木の根、工事の残材や不法投棄物等が流下の障害となります。

これらの堆積物を放置した場合、流れが悪くなるだけではなく閉塞することもあり、異臭や有毒ガス発生の危険性も高くなります。

合流式下水道の場合には雨天時の未処理放流水の汚濁負荷量を低減するために有効であり、ネズミやゴキブリ等の駆除にも効果的です。

清掃作業においては同時に管路施設の損傷や侵入水等の有無を確認することもできます。

清掃中に破片が発見された場合には管路の損傷が疑われるため詳細な調査が必要になります。

「清掃」と「しゅんせつ」

  • 清掃…鉄筋コンクリート・硬質塩化ビニル管などのような底部構造を有する施設を対象に行う。
  • しゅんせつ…底部構造の無い施設を対象に行う。

管路施設の清掃およびしゅんせつの対象となる状況にはつぎのようなものがあります。

  • 管きょ及びマンホール…土砂堆積・油脂類の付着・植物の根・不法投棄モルタルの付着等
  • ます及び取り付け管…汚物・土砂・落ち葉・空き缶・ゴミ等
  • 伏越し…河川や地下埋設部を越す部分は常に下水が溜まった状況にあり異物の堆積が発生しやすい。

清掃は住民からの苦情や通報、巡視・点検・調査による対応、定期的清掃、作業前の事前清掃等があります。

清掃は定期的・計画的に行う事で効果的・効率的に管路の維持管理を行う事に繋がります。

計画検討においては、油脂を多く使用する店舗の下流部分などは過去履歴等を参考に時期や方法を検討する必要があります。

清掃計画では管の種類や埋設の深さ、マンホール間隔等の状況を把握し作業方法や器具を制定する必要があります。

清掃およびしゅんせつの時期は過去の清掃記録や点検および調査の結果、緊急対応等により検討します。

特に近年は集中豪雨が増加しており、雨の多い時期の前に下水道施設の機能を十分確保することが社会的にも求められています。

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高圧洗浄車清掃の作業イメージ

◆作業実施の留意事項

清掃作業実施に当たっては、除去する対象物の確認も重要です。

溜まっている物の硬度・堆積量・堆積場所を調査し効果的・功利的に行うとともに、管を損傷させないことも重要です。

また、作業時は地上部分においてマンホールを開け、作業用車両を駐車し作業スペースを確保する必要があることから交通規制・誘導等の安全確保に留意するとともに、周辺住民への管路施設の維持管理の重要性と作業内容を事前に周知することも必要です。

作業実施に当たっては、有毒ガス発生や急な流入水量の増加など下水道管きょ内作業の危険性を十分理解し安全な作業環境の確保が特に重要です。

清掃およびしゅんせつにより撤去した土砂及び汚泥は産業廃棄物として法令に従い適切に処理する必要があります。

また、清掃およびしゅんせつの結果は以後の管路維持管理に重要な情報となりますので地図情報とあわせてデータベース化しておくことが肝要です。