お知らせ
大口径管渠におけるVカット施工の注意点
豆知識
2026.02.16
― φ2000以上だから“楽”とは限らない ―

大口径管渠は人が立って作業できるため、
一見すると施工しやすいように思われがちです。
しかし実際には、
🔴 「小口径より難しい要素」が多い
というのが現場の実感です。
今回は、大口径ならではの注意点を整理します。
なぜ厳しいのか?
- 管断面が大きい=空間容積が大きい
- 粉じんが滞留しやすい
- 距離が長くなる傾向
特にVカットでは、
✔ 切削粉じん
✔ 臭気
✔ ガス滞留
が発生します。
実務ポイント
- 送風だけでなく「送排気併用」が望ましい
- 人孔から50mを超える場合は換気計画必須
- 酸素濃度は連続監視
💧 ② 水替えの難易度が上がる
大口径は流量も大きいケースが多い。
Vカットは原則、乾燥状態が理想。
問題点
- 水深5cmでも作業効率が大幅低下
- 流速があると足場不安定
- 活水時は充填不良リスク増大
対策
✔ 一次止水 → Vカット → 樹脂充填の段階施工
✔ 区間分割施工
✔ 夜間低流量施工
🧱 ③ クラックの“動き”が大きい
大口径管は、
- 土圧影響
- 地盤変位
- 長スパン構造
の影響を受けやすい。
つまり、
クラックが“動いている”可能性が高い
動きのあるクラックにVカット単独施工すると、
- 数年で再漏水
- 充填材剥離
が起きる。
判断基準
- 曲げひび割れか?
- 鉄筋腐食はあるか?
- 背面空洞の可能性は?
ここを見極める必要がある。
🏗 ④ 足場・安全管理が重要
φ2200以上になると、
✔ 足場設置
✔ 高所作業
✔ 長距離退避
が発生する。
特に重要なのは
- 退避距離管理
- ガス検知器携行
- 作業時間の制限
「広い=安全」ではない。
📊 ⑤ Vカット単独で済ませてよいか?
大口径の場合、
- 断面欠損
- 鉄筋露出
- 腐食進行
を伴うことが多い。
そのため、
| 状況 | Vカット単独 |
|---|---|
| 微細クラック | ◎ |
| 活水クラック | △ |
| 構造劣化併発 | × |
断面修復や部分補強との併用を検討すべき。
🔎 まとめ
大口径管渠におけるVカット施工は、
✔ 作業空間は広い
しかし
✔ 管内環境は厳しい
という特徴があります。
注意すべきは:
-
換気計画
-
水替え条件
-
クラックの性状
-
構造的影響
-
安全管理
これらを整理せずに施工すると、
再漏水や事故につながります。
✍ 技術者として大切なこと
Vカットは“止水工法”。
大口径管渠では特に、
「止水」と「構造」の切り分け
が重要になります。
ここを説明できる会社は、
発注者からの信頼が違います。
