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お知らせ

下水道事業と事故防止の取り組み

下水道事業においては工事や維持管理の事故により毎年100人以上の死傷者が出ています。

一方、事故原因の大半が作業手順の改悪や作業者の不注意、管理者の安全配慮不足などであり、事業者側の注意と教育によって改善を図る必要があります。

下水道では作業中の墜落・転落や急な増水、機器への引き込まれ・機器の不良・有毒ガスの発生、交通事故や車両事故など様々な要因による事故が発生します。

事業実施に当たっては安全配慮に十分留意し、法例や作業ガイドラインに則った対応と作業関係者への教育が重要です。

 

共通の重点防止対策

下水道事業を行う上では、安全を確保し作業することが最も重要であり、作業員および周辺地域の住民、通行者等の安全に十分配慮しなくてはなりません。

  • 現場管理者、技能者、建設従事者等を対象とした安全教育の推進
  • 建設業従事者に対する安全衛生教育の実施
  • 技能者等に対する再教育の推進
  • 現場管理者等に対する教育の推進
  • 建設業労働安全衛生マネジメントシステムの導入推進
  • 社内あるいは協力業者の表彰制度の導入
  • 適正な作業予算の確保

 

足場などからの墜落・転落事故の防止

国土交通省の調査では、平成28~30年の三年間に発生した下水道の工事あるいは維持管理における事故では墜落・転落がもっとも多く、その全てで墜落制止用器具が未使用でした。

  • 「安全な足場」の使用の推進
  • 足場工に関する施工計画の充実
  • 親綱、安全帯の適切な取り扱いの徹底
  • チェックリスト等の活用による安全点検の強化

 

重機・車両等の事故の防止

重機操作時の「挟まれ」や転倒、車両の停止措置不足による事故、機器操作ミスによる有害物質の漏洩、クレーン車等の転倒など重大事故になる場合があります。

  • 重機オペレーター等の安全教育と誘導員の配置と連携の徹底
  • 重機と作業員の行動範囲の分離
  • 車両の輪留めおよびクレーン車等の転倒防止の徹底

 

作業計画と作業員の安全連携の徹底

機器の清掃作業中に別の個所を点検中の作業員が確認不足のまま機器を操作し清掃作業者が負傷するなどの事故が発生しています。作業は責任者が進捗を一元管理し、作業員菅野円滑な連携と安全確保の徹底を図る必要があります。

  • 作業責任者による指揮系統の一元化と計画書による作業手順の徹底
  • 隔地作業員間の機器操作等安全確保確認連携の徹底

 

土砂崩落に対する事故の防止

「生き埋め事故」などは直ちに人命が危なくなる事故であり、作業時には土質と工法の適合や、作業進捗時の異常確認の徹底などをはかる必要があります。

  • 土留め先行工法の徹底
  • あて矢板(床付まで掘削をして矢板をあてる施工)等危険な施工の撲滅

 

飛来落下事故・作業事故の防止

作業中の吊り荷の落下やチェーンブロックの外れによる作業員の負傷、腐食管の破裂による顔面裂傷、ケレン作業中の異物飛散による目の負傷など様々な事故が発生しています。

また、機器の動作時における巻き込みや挟まれ等は四肢を切断するなどの重大事故になる場合があり、事故防止を反復して徹底し周知するとともに、作業環境の整理整頓、十分なスペース確保に留意する必要があります。

  • 玉掛け方法の点検強化・吊り上げ時の地切り作業の徹底・つり荷との距離の確保
  • 作業区域の明示と立入禁止区域の徹底
  • 作業ゴーグル等の保護具の適切な装着
  • 機器操作マニュアルの周知と安全作業に関する指導の徹底

 

交通事故防止に対する重点対策

下水道工事あるいは維持管理作業は道路の一部を使用する場合が多く、交通規制や車路・歩道の一時的な変更が必要となります。規制は歩行者・運転手の協力を得て円滑かつ安全に行う必要があります。

  • デルタクッション・交通規制表示設備等の設置(一般車両進入防止)
  • 適正な交通誘導員の配置(道路規格により有資格者配置の義務あり)
  • 交通誘導員の下水道工事・作業の特性教育(事故防止及び初動対応方法)

 

熱中症等の予防

下水道工事や作業中は高温高湿度の作業環境になる場合があり、直射日光にさらされる作業現場も多い状況です。

  • 作業責任者は、作業員の適切な水分・ミネラルの補給について配慮する
  • 計画的に交代・休憩を行うとともに、作業環境の変化に配慮し対応する。