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下水道技術の海外展開
◆SDGsの取り組み
現在世界的に取り組みが広がっているSDGs「目標6・安全な水とトイレを世界中に」では、
ターゲット6.3としては「2030 年までに未処理の排水の割合半減」があげられ、
ターゲット 6.5 には「2030 年までにあらゆるレベルでの統合水資源管理の実施」、
目標 11 のターゲット 11.5 には「水関連災害などの災害による死者や被災者数を大幅に削減し、経済損失を大幅に減らす」が掲げられています。
しかし世界ではまだ30%の人々が安全な水を手に入れることができず、55%が自宅に衛生的なトイレを持つことができません。
世界的には河川は複数の国を通って流れており、上流の汚染は直ちに下流域の衛生環境に影響を及ぼします。
流域全体での水資源管理・上下水道の整備は健康的な生活環境に欠かすことができない技術となっています。
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◆海外展開
人口増加が著しい新興国を中心にインフラ需要は高まっており、急速な都市化や経済成長を背景に今後も市場の拡大が見込まれているのが水資源ビジネスです。
水資源ビジネスの市場規模は2019年で約72兆円といわれ今後も増加が見込まれています。
特に人口増加により水需要が増加するとみられる地域では水資源の争奪が始まっており、2030年には全世界で必要とする水の需要に対し40%不足するとの報告もあります。
また、適切な水資源管理により地球に対する負荷の軽減と、生活環境の向上には下水道施設は重要な役割を担います。
水資源分野で我が国は、既存ダムを運用しながら堤体嵩上げによる容量増量や設備改修、運用改善などの治水・利水のノウハウが数多くあります。
下水道技術では都市部の限られた用地や交通事情を考慮した工法や汚水・汚泥処理技術、小規模ポンプ施設、管路の施工更新の技術が高く、海外での受注実績も増加しており高い評価を得ています。
特に東南アジアに対しては2018年に我が国を含むアジア6ヶ国39が参画するアジア汚水管理パートナーシップ(AWaP)を設立し、カンボジア、ベトナム、インドネシアに専門家を派遣し、下水道に関する法整備や技術基準の作成などソフトインフラに対する支援も行われています。
また、ライフサイクルコストが低廉な水処理技術、管きょの点検診断・更生工法など老朽化対策技術や AI や ICT を活用した維持管理の展開も進められています。
令和3年度においてはベトナムでの「耐食性コンクリート人孔の現地製造による品質確保及び布設に係る実証事業」や、アメリカでの「下水道事業における高効率・大出力磁気浮上式ブロワに係る実証事業」、が国土交通省の事業として進められました。
世界の水市場の拡大とともに、我が国下水道技術に対する海外からの要望は高まりをみせており、今後の展開が期待されます。
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