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ゲームで挑む社会インフラの維持管理

令和2年度末の全国の下水道管渠総延長は約49万キロになっています。

この中で標準耐用年数50年を経過した管渠は約2.5万キロであり、20年後には19万キロになるとみられています。

 

一方、下水道と地表を結ぶマンホールの蓋は損耗が早く、車道で15年・歩道で30年と言われています。

マンホールの蓋は全国で1500万基が設置されており、そのうち約300万基が設置から30年以上経過していると推測されています。(一社日本グランドマンホール工業会)

 

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ゲームで集めるマンホール情報

経年劣化や損傷について下水道の定期点検時に確認しているものの、手間や点検サイクルの関係で全てをカバーすることは難しい現状となっています。

また、一部自治体では配管等の図面管理が不十分なこともあり下水道台帳から漏れているマンホールも存在しています。

下水道事業の関係者だけでは手が回らない現状を打開する取り組みとしてゲームを通じてマンホールの情報を収集する取り組みが始まっています。

 

NPO法人WEFと日本鋳鉄管株式会社はアクションゲームアプリ「鉄とコンクリートの守り人」を開発し、参加者がマンホールの蓋の情報を投稿することで膨大なマンホールの現状把握を行う取り組みを始めました。

 

このような取り組みは市民参加のテクノロジー利用として「シビックテック」と呼ばれています。一般の人がテクノロジーを利用して社会課題に取り組むものです。

 

「鉄とコンクリートの守り人」では昨年8月に東京都渋谷区で実証実験を行い三日で区内の約10000基の情報を収集できました。

11月には石川県加賀市で実証実験を行い一日半で市内の約8000基の画像収集を完了しました。

今年のGWは全国で「マンホール聖戦 GW2022」と題してマンホールの蓋情報の登録が行われています。

参加者には登録マンホール数により商品も出るなどゲーム感覚で社会資本の情報収集に寄与することになります。

 

また、インフラの劣化の話題や安全に撮影する注意事項などもサイトに掲載されており単なるゲームだけではなく、インフラマネジメントに関心を持つような啓発にも役立っています。

このゲームでは下水道マンホール以外にも、警察、消防、通信系、電気、ガス等々、サイズが小さい仕切り弁、空気弁、制水弁、消火栓等々も対象としていることから、様々な地下埋設系のインフラについて情報収集に繋がっています。

 

集まったデータは画像判定により劣化状況を診断しデータ化することも可能です。

設置の環境によってはひび割れや腐食、マンホール周辺の破損なども情報として収集されることから、事故に結びつく前に交換や修理などを行うことができます。

最近はマンホールの蓋にご当地観光名所や漫画やアニメ、ゲームのキャラクターなどをデザインしたデザインマンホールが全国で設置され、マンホールカードや缶バッチなども出されています。

 

数多くの人が関心を持つことで劣化や損傷の情報を早く関係部門に伝えることができれば、効率的な維持管理にも繋がります。DXの普及により、ゲーム感覚で社会のインフラマネジメントを市民レベルで支える取り組みが当たり前の社会が近づいてきています。

 

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