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下水道施設の概要

 下水道は実際に目にすることがないので、あまりどういったものなのかイメージが付きにくいですよね。

 今回は下水道施設の概要や歴史、役割について解説していきます。

下水道整備の概要

 近代的生活は水の循環によって支えられています。

山に降った雨は川から取水され上水施設から家庭や工場・ビル等に供給されます。

市街地に降った雨は「雨水」、使用された水は「汚水」となって下水道を通って処理され川や海に流されます。

 下水道は「下水道管」「ポンプ所」「処理施設」から構成されており、下水道は都市の中を網の目のように張り巡らされた管きょ施設により雨水や汚水を集めて処理しています。

 

 

下水道の歴史

 人々の生活が農耕社会からさらに発達し、都市を造り始めたころから「生活排水」は大きな問題であったようです。

四千年前の古代インドの遺跡からは、レンガで作られた下水道が家庭で使われた水を集めて川に流す役割を果たしていました。

 ヨーロッパでは産業革命以後、人々が都市での生活に集中しましたが下水道が未整備であったため大量の糞尿で町が汚れ、19世紀にはコレラが蔓延するなどの社会問題となりました。

1956年にイギリスのロンドンで下水道の整備が始まり、ヨーロッパ各国やアメリカに広がりました。

 わが国の江戸では、雨水は「どぶ」などから川に排水し、糞尿は畑の肥料として回収され、米のとぎ汁等は植木の水やりに使うなどしていました。

しかし、明治時代となり東京に人々が集中するようになったことから1877年(明治10年)にはコレラが蔓延するなどして都市の衛生問題が大きくなりました。

このため1884年(明治17年)にわが国最初の下水道「神田下水」が造られました。以降、全国で下水道の整備が進められています。

 

下水道の役割

 下水道には大きく分けると三つの役割があります。

①快適な暮らしを守る。

 家庭や工場、ビル等から出る汚水は汚水ますを通って下水道で処理施設に運ばれ、清浄な水に処理されて河川等に戻されることで清潔で快適な都市環境を維持しています。

②地球環境を守る。

 下水を処理し清浄な水を放流することで汚濁や養分過多を防ぎ、川や海の水質を守っています。

③災害から街を守る。

 降った雨を下水道管で集め川に流し浸水を防いでいます。

近年では大規模な貯水施設や排水ポンプなどの整備が行われ、集中豪雨等の災害に備えています。

 

 下水道施設は、衛生的で安全な現代の生活を守るために不可欠の仕組みです。

しかし、その施設は不断の維持管理を行い適切にメンテナンスし機能を維持することが必要です。

計画的かつ適切な維持管理が人々の普段の生活を支え続けています。