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管路施設の耐震化について

 日本は、世界でも有数の地震多発地帯となっています。

そのため、地震への対策は必要不可欠です。

 今回は管路施設の耐震について解説していきます。

耐震化の必要性

 地震発生時に下水道施設は大きな被害を受ける場合があります。

特に、地盤が液状化を起こした場合には管きょやマンホールが浮き上がり継ぎ手部分が破損したり、傾斜が変わってしまうなどして下水道施設としての機能を喪失する場合があります。

東日本大震災においては管きょの被害が延べ600㎞以上、マンホールの被害が1500基移譲となりました。

下水道施設の被害は排水機能の喪失だけでなく、衛生環境の悪化や交通障害など災害発生後の復旧の取り組みや被災地での生活に大きな影響を与えることになります。

災害時でも流下能力を確保し、下水道施設の機能を継続発揮することが求められています

 

 耐震化とは、災害後においても機能の維持・早期復旧を図るため様々な工法により実施されます。

既存の管路施設に対する耐震化工事では、開削により布設替えすることが最も有効ですが、困難な場合には非開削工法により実施されます。

 

耐震化工法

 管きょは液状化による地盤の変形や、管の浮き上がり・沈降・横ずれ等により接合部が損傷したり流下に必要な傾斜が失われるなどの被害を受ける場合があります。

また、マンホールは水密性が高く空洞であるため、液状化が発生すると浮上し道路等に突出してしまう場合があります。

また、横ずれや、配管接合部の損傷なども発生します。

 そこで、これらの被害を防止するための工法は下記の四種類に分類されます。

1)地盤改良タイプ

 管路施設周辺の地下水位以下の地盤を、セメントや石灰などの改良剤で固化させたり、振動等を加えて締め固めることで液状化の影響を抑えます。

深さによっては固化が目標の強度に達しない場合もあるので、施工時には留意する必要があります。

2)過剰間隙水圧消散タイプ

 砕石ドレーンによる地中杭等を構築し、間隙水を地下水位の上あるいはマンホール内へ排水し液状化を抑えます。

3)アンカータイプ

 底盤部あるいは側面から液状化しない支持基盤へアンカーを設置し、液状化発生時のマンホールの浮き上がりを抑えます。

支持できる硬い岩盤が配管部に近い場合には有効であり、比較的大規模な管きょ、小規模なマンホールに適しています。

4)重量化タイプ

 管きょやマンホールの基底部をコンクリート基礎等で重量を増やすなどして、液状化発生時の浮き上がりを抑えます。

浮き上がりの防止効果はありますが、一方で沈降してしまう懸念もあります。比較的小規模の管路の新設時に適しています。